袋井市議会だより No.78 令和3年5月1日 CONTENTS ●2月定例会の概要…2 ●市政に対する一般質問…4 ●特別委員会報告…9 ●常任委員会レポート…10 静岡理工科大学から「市制施行15周年」に祝辞 袋井市のますますのご発展をお祈り申し上げます。 当大学は、2017年に静岡県内の大学で初めて建築学科を設置し、この春、第1期生の卒業を迎えました。 2022年には、建築学科の学生とともに4年間過ごしてきたこの学び舎の横に土木工学科棟を建設予定です。 2月定例会 新年度予算は、いずれも可決  市議会は、2月定例会を2月22日から3月22日まで29日間の会期で開催しました。  今定例会では、市長から提出された令和3年度一般会計・特別会計・企業会計予算をはじめ、令和2年度一般・特別会計補正予算など31議案と、議員から新型コロナウイルス感染症に係る誹謗中傷等の根絶に関する決議及び袋井市議会委員会条例の一部改正の2議案が上程され、採決の結果、いずれも原案のとおり可決しました。  また、市政に対する一般質問では、13人の議員が市長・教育長の見解をただしました。 ◎議決した主な議案 令和3年度一般会計予算  令和3年度の予算額は、356億円で、前年度当初予算と比較すると1・1%の増額となります。 〈主な新規事業〉 ●新型コロナウイルスワクチン接種事業…3億6300万円   新型コロナウイルス感染症のまん延防止のため、ワクチン接種を行う。 ●山梨幼稚園・若葉幼稚園の認定こども園化…8570万円   待機児童の解消を目指し、公立幼稚園を認定こども園化する。 ●温室効果ガス削減への取り組み…3440万円   脱炭素社会に向けて、再生可能エネルギーの活用、ごみの減量化、温室効果ガスの削減に取り組む。 〈主要な事業〉 ●子育てセンター「にじいろ」整備事業…11億5263万円   令和4年4月に袋井南幼稚園、高南幼稚園、袋井南保育所の公立3園を統合した幼保連携型認定こども園を開園するため、社会福祉法人天竜厚生会による施設整備を支援する。 ●浅羽中学校舎改築改修工事…5億8552万円   令和2〜4年度で工事を行い、安全・安心・快適な教育環境を整備する。 ●袋井駅南都市拠点土地区画整理事業の推進…4億2680万円   市の玄関口にふさわしい市街地形成に向けて、土地区画整理組合への支援や、道路、水路などの公共施設を整備する。 ●静岡モデル防潮堤の整備事業…2億940万円  小笠山工業団地造成事業の発生土を利用し、防潮堤を整備する。令和3年度末までに、市施行分の約8割を整備する。 ●治水事業推進…1億6945万円  排水不良による氾濫被害を解消するため、河川や水路の改修や治水施設を整備する。 令和3年度特別会計予算  国民健康保険をはじめとする5特別会計の予算総額は、145億3500万円で、前年度当初予算と比較すると0・3%の減額となります。 令和3年度企業会計予算  水道事業会計予算は26億4900万円で、前年度当初予算と比較すると7・0%の増額、下水道事業会計予算は40億8000万円で、前年度当初予算と比較すると2・5%の減額、病院事業会計予算は19億8600万円で、前年度当初予算と比較すると0・5%の減額となります。 令和2年度一般会計補正予算  今回の補正予算は、第8号から第11号の4議案が提出され、主に次に掲げる事業のために、5億2600万円を増額しました。これにより、補正後の一般会計予算総額は471億2900万円となりました。 〈第8号〉 ●新型コロナウイルスワクチン接種事業…800万円   高齢者への接種券の郵送や集団接種に係る経費。 ●抗原検査キット整備事業…1000万円   店舗や事業所、公共施設などで新型コロナウイルス感染者が確認された場合に備え、抗原検査キットを2500個備蓄する。 〈第9号〉(主なもの) ●ふるさと納税事業…9000万円   ふるさと納税額が増加したため、増額する。 ●スマートスクール推進事業…3800万円   全児童、生徒に1人1台配置された学習用タブレットを活用した授業がスタートした。効果的な指導のため、ICT支援員を拡充する。 ●スポーツ施設環境改善事業…2400万円   袋井体育センター、浅羽体育センター、風見の丘、袋井B&G海洋センターの水道栓を自動水栓化する。また、インターネットでスポーツ施設が予約できるようにする。 ●地域資源プロモーション事業…2290万円   市の特産品や郷土の偉人などの魅力を発信する電子雑誌や動画などを作成し、電子メディアなどを通じて発信する。 〈第10号〉(主なもの) ●ふくろい応援商品券発行事業(第2弾)…1億5000万円   スーパー、ドラッグストア、ホームセンターなど、使用可能店舗を追加したプレミアム付き商品券を発行する。 ●ふくろいキャッシュレス応援事業…6300万円  キャッシュレス決済サービスを提供する事業者と連携した、ポイント還元キャンペーンを実施する。 ●住宅リフォーム助成事業(第2弾)…3600万円   市内の事業者に発注して、新しい生活様式の住宅にリフォームする方に対し、助成する。 ●飲食店応援事業…3500万円   酒類を提供し、午後8時以降も営業する飲食店(要登録)に寄付した協力者に、飲食店応援商品券を発行する。 ●市内産食材給食活用事業…1100万円   市内産の農産物(精肉、果物、野菜、乳製品など)を、1学期中の給食で積極的に活用する。 ●ふくろいふるさと農産物応援便事業(第3弾)…500万円   市の主要農産物であるお茶やメロン、米などを県外の親族に送る方に、補助する。 条例の一部改正(主なもの) ●袋井市立学校設置条例及び袋井市立幼保連携型認定こども園設置条例の一部改正について   待機児童対策として、令和3年4月から若草幼稚園と浅羽東幼稚園を認定こども園に移行するため、所要の改正を行うものです。 ●袋井市介護保険条例の一部改正について   介護保険法施行令及び介護保険法施行規則の一部改正に伴い、第1号保険料の対象期間及び基準所得金額を定めるなど、所要の改正を行うものです。 市政に対する一般質問 ■村井 勝彦 議員 小中学校の施設整備の取り組み 問 法律の改正により、小中学校施設のバリアフリー化に向けて、施設整備計画の策定が必要となったが、本市の小中学校施設のバリアフリー化をどのように考えているか。 答 小中学校施設のバリアフリー化の推進に向けた施設整備計画の策定と整備方針については、袋井市教育施設等3Rプロジェクトで、建物の新築、建て替え、改修などの際に、段差の解消や手すりの設置などを検討するという、基本的な方針を定めている。今後においては、袋井市教育施設等3Rプロジェクトに定めている20年間の整備方針について、毎年度行っている更新のタイミングで、バリアフリー化に係る整備内容、費用、時期などを盛り込んでいく。 今後の農業施策の在り方 問 今後の農業施策の方針をどのように考えているか。 答 農業従事者が減少する中で、地域の農業を維持、発展させるため、意欲ある担い手への農地の集積集約が重要で、引き続き推進するとともに、稼ぐ農業に取り組む生産者を支援し、優れた生産技術と経営能力を持つ生産性の高い農業経営体の育成に努めていく。 ■森杉 典子 議員 デジタルデバイド(情報格差)の解消 問 あらゆる人が、環境や能力にかかわらずICT機器を利活用できるよう、利用方法の助言や相談にのるデジタル活用支援員制度の導入は。 答 通信事業者と連携してスマートフォン講座を開催するなど、制度を積極的に活用し推進していく。 男女共同参画社会の推進 問 女性の活躍を推進するアンコンシャス・バイアス(無意識の偏見)への取り組みは。 答 具体例の紹介をはじめ、積極的に取り組んでいる事業所などの事例や、さまざまな分野における女性のロールモデルの情報提供などの啓発に努めるとともに、実践につなげていく。 子どもの防災教育 問 小中学校に配布した防災ハンドブックの活用状況は。 答 避難訓練時や総合的な学習などの時間に活用し、自分の命を守る行動や、時と場に応じた適切な避難の仕方を自ら考え、行動する力を育むとともに、非常持ち出し品の確認などを行っている。 ■浅田 二郎 議員 生活困窮者に寄り添った対応を 問 市役所しあわせ推進課と、久能にある社会福祉協議会の往復は酷である。「ワンストップ」での相談を。 答 それぞれの職員が移動し、同席するなど相談者に配慮した対応をしている。今後、オンラインなどでの相談も検討していく。 問 「生活保護の扶養照会は義務ではない」と国会で厚生労働大臣が答弁し、「生活保護は国民の権利」、「ためらわずにご相談を」とホームページで広報している。厚生労働省の立場に対応した方策は。 答 国の通知に基づいて柔軟に扶養照会していく。また、個々の相談にあった生活保護を含む各種制度の活用など、ケースワーカー職員が、一人一人に丁寧な対応をしていく。 県水との契約水量こそ改善を 問 過大でズサンな計画、その計画に基づく4万1200立方メートルの契約が、水道事業経営の悪化の要因である。今、どの程度の水量が必要と考えているか。 答 将来の人口や水需要の減少を見込んだ上で、災害時の余裕分を含めた県水からの水需要を日量2万3900立方メートルと考えている。 ■伊藤 謙一 議員 自治体DXに向けた取り組み 問 学校運営や自治会、消防署や消防団の組織の中で、ペーパーレスや押印の削減に向けた取り組みを推進すべきと感じる。行政効率や仕事量を減らす環境改善の視点から見て、また、市役所庁舎内だけでDX(デジタルトランスフォーメーション)化を進めるのではなく、まちづくりとして住民の生活向上のため、市役所の進んだ取り組みを横に展開していく強いメッセージを発信すべきでは。 答 デジタル化への取り組みをさらに浸透させていくためには、市が取り組むペーパーレス、電子申請、テレワーク、BPR(業務内容などを抜本的に見直す)研修など、DXに関する情報や技術を民間団体にも広く提供することが必要であるため、研修会などを実施していきたい。 事業承継で担い手不足解消を 問 次世代に経営を譲らずに解散・廃業する企業が増えている。市は、企業誘致や起業支援とともに事業承継について今後支援する考えはあるか。 答 県を中心に、商工団体や金融機関などで構成する事業承継ネットワークを活用し、マッチング支援や今後の事業承継の推進を支援していきたい。 ■岡本 幹男 議員 浅羽海岸の防災対策を 問 防潮堤建設の進捗状況と今後の建設工程はどうか。 答 浅羽海岸の延長5・35キロメートルのうち、令和2年度末までに、市の施工分4・15キロメートル、県の施工分4・02キロメートルが完了する。防潮堤未整備の湊地区と中新田地区は、小笠山工業団地造成の発生土20万立方メートルを活用し、令和5年度完了を目指している。 問 浅羽海岸浸食対策の静岡県サンドバイパスシステムは効果が限定的であり、緊急対策としてダンプカーによる土砂の運搬を検討できないか。 答 サンドバイパスシステムによる土砂の移動は、年間移動目標の8万立方メートルには達していないが一定の効果はある。自転車道 の浸食箇所は、県と協力し保全を図っている。 教育施設の更新に地域の声を 問 浅羽中学校南校舎跡地に将来、施設一体型の小中一貫校の校舎を建設し、浅羽南小学校と笠原小学校の統合を検討する場合、地域の声を反映する仕組みを考えて欲しい。 答 現段階で学校を統合する具体的な計画はない。学校の統合については、地域の意見を伺いながら判断するべきものと考えている。 ■高木 清隆 議員 シニア層への伴走型活動支援 問各コミュニティセンターで、シニアクラブの事務的機能を担えないか。 答シニアクラブ袋井市と連携し、書類の簡素化や役員会の在り方などの負担軽減や、現在の組織体制の抜本的な見直しなど、将来に向けた方向性について検討していく。 消防団を中核に地域防災力の充実強化を 問消防団員の定数や装備の改善など、具体的な数値目標を含む検討を行い、消防団の体制に関する中期的な計画策定が必要では。 答団員の負担軽減や活動しやすい環境づくりを支援するとともに、団員確保に向け消防団と協議し、中期的な計画策定について検討していく。 エコパに公式野球場建設を 問エコパ圏域の市町を取り込んだ、公式野球場建設に向けた可能性調査への取り組みが必要では。 答公式野球場建設に向けては、県の意向も確認する中で、近隣の磐田市や掛川市などの意向も伺いながら、今後、調査研究していく。 ■木下  正 議員 コロナ禍における市内公園の活用 問 公園をまちづくりの拠点にするため、公園に関わるさまざまな人たちによる公園ミーティングを提案するがどうか。 答 身近な公園の活用について、子育て世代やシニア世代、愛護団体やスポーツ団体など、いろいろな立場の人たちで、話し合うことは有意義である。地域の特性を踏まえた公園の利活用を図るように取り組んでいく。 問 利用率の向上や災害時の活用のため、公園面積や照明、トイレ、防災倉庫の有無などを記載した公園マップを、ホームページに掲載してはどうか。 答 身近な公園への期待や需要が高まっている。今後は市が管理する85カ所すべての都市公園を、ホームページに掲載するよう対応していく。 コロナ禍における公共交通 問 事業者への支援は。 答 民間路線バスは、利用者数減少により欠損額が増大しており、補助金を増額し路線の維持に努めていく。また、地域が主体で、交通事業者や行政と連携した(仮称)地域タクシーの運行を考えており、新規事業への参画で稼働率の向上を図り、事業の維持につなげていく。 ■竹野  昇 議員 紙の全量リサイクル 問 ごみ減量、中遠クリーンセンターの焼却炉延命が市の大きな課題となっている。家庭や事業所、学校などの協力で、封筒、包装紙、メモちらし類、シュレッダーにかけられた紙など全ての紙類を、ごみでなく大切な資源としてリサイクルすれば、ごみ減量化、循環型社会、環境に優しいまちとなる。全ての紙類回収の具体的方法を検討しているか。 答 今後、幼稚園、小中学校や市の外郭施設などに、シュレッダーにかけられた紙でもリサイクルできることを周知するとともに、令和3年度から実施する事業系ごみ削減のため事業所訪問の際、大手リサイクル業者への古紙の排出を提案するなど、官民一体となって、リサイクルできる体制を整えていきたい。 地域に密着した人事の在り方 問 コミュニティセンターなど地域に密着した施設の長は、その地域にふさわしい人選が望まれるが。 答 コミュニティセンターの職員採用は、令和2年度から導入された会計年度任用職員の任用手続きにより公募を行い、必要に応じ班内回覧などで募集を行うなど、広く人材を求め人選を行っている。 ■近藤 正美 議員 ラグビーW杯2019TMのレガシーは 問 この大会が産業興しのきっかけとなっているか。 答 60店舗でキャッシュレス決済の基盤整備が進み、商業振興に寄与した。コロナ終息後はSNSの活用などで情報発信し、インバウンド観光を推進する。またエコパツーリズム推進で遠州三山、宿泊施設などと連携し誘客にも取り組む。 民間の介護予防・高齢者支援の活動は 問 住民と生産者と直売所をつなぐ取り組みの相乗効果は。 答 住民は新鮮な農産物を安価で購入でき、人との交流やでん伝体操で介護予防が期待できる。生産者は市場出荷などに比べて利益率が高く、直売業者は売り上げや認知度の向上、社会貢献の実現につながる。 インフルエンザ予防効果で茶業振興を 問 緑茶の常飲推奨が生産量、消費量の増加や健康増進に貢献すると期待されるが認識はどうか。 答 緑茶の常飲が定着すれば、茶の生産量と消費量が増大し、健康増進に有効であると認識している。関係団体と連携し、茶の寄贈、試供品配布などで緑茶常飲を啓発していきたい。 袋井市議会からの意見書(要旨) ・新型コロナウイルス感染症の影響に伴う地方財政の急激な悪化に対し地方税財源の確保を求める意見書  新型コロナウイルス感染症が蔓延し、地域経済にも大きな影響が及び、地方税・地方交付税など一般財源の激減が避けがたくなっている。国においては、令和3年度地方財政対策及び地方税制改正に向け、地方税財源を確保するよう強く要望する。 衆参両議院議長、内閣総理大臣、総務大臣、財務大臣、経済産業大臣、内閣官房長官、経済再生担当大臣、まち・ひと・しごと創生担当大臣あて ■高橋 美博 議員 コロナ対策事業実施の評価は 問 実施事業の評価と課題は。 答 店舗・事業所への感染拡大防止支援事業により、クラスター発生防止につながった。プレミアム付き商品券発行事業、農産物応援便事業、住宅リフォーム事業などの取り組みによる経済効果は全体で5億3000万円程度と試算している。国の緊急小口資金貸し付け、住宅確保給付金、市独自の生活応援資金貸付金、光熱水費給付金事業などの生活支援の活用件数は、昨年12月末までで延べ994件、合計1億9500万円の給付や貸し付けを行い、セーフティネットとしての機能を果たしてきた。今後の課題として、経営の苦しい事業所や生活困窮者の中には関係機関への相談のないまま耐えている方もいると思われ、現状を少しでも多く把握し、よりきめ細かい対応をしていくことが重要である。 コロナ対策予算の財源内訳は 問 令和2年度に計上した112億円の財政フレームは。 答 国の交付金103億2500万円余、県の交付金1億4500万円余、その他寄付金などを含め104億円余となった。一方、市が負担した財源は7億1000万円余である。国・県の臨時交付金を最大限活用し、市負担の抑制を図っていく。 ■寺田  守 議員 平和行政と記念碑 問 活人剣碑や護国塔、浅羽佐喜太郎公記念碑など戦争に関する史跡が遺されてきたが、市長の思いは。 答 それぞれの記念碑は、戦争犠牲者の慰霊と隣国との友好関係を後世に伝えるための先人の事跡であり、戦争という悲惨な歴史を二度と繰り返してはならないという思いを強く想起させるものである。今後も引き続き周囲に伝えていくことが責務と考えている。 問 市内に残る忠魂碑への市長の思いは。 答 終戦記念日には現在の平和と繁栄、私たちが暮らす自然豊かな郷土が戦没者の尊い犠牲の上に築かれていることを忘れることのないよう、思いを新たにしている。地域にある忠魂碑は、今後、少し時間をかけ調査していきたい。 市内橋梁の維持管理 問 宮ノ越橋の管理状況はどうか。 答 市内には2メートル以上の橋梁が917橋あり、県のマニュアルに沿って点検している。宮ノ越橋は早期に措置を講ずべき状態になったため、令和6年度までに修繕をしていく。また、旧秋葉線ルートとして歩行者に楽しんでもらうため、看板の設置も検討したい。 ■村松  尚 議員 治水対策事業の取り組みは 問田町幹線排水路事業の方針は。 答市計画道路村松山科線から北側の区間は、磐田用水東部土地改良区が所管する用水路と分離する必要があること、住宅やアパートの建築が進み、用地確保が極めて難しいことを踏まえ、排水路のルート選定については、道路敷地の利用や、新たな用地の取得も含め、関係者と綿密な協議をしながら進めていく。 問久能第二都市下水路改修事業の今後の予定は。 答可睡斎東側付近から旭町地先までの排水路の整備は、第2次袋井市河川等整備計画を策定中であり、排水路の勾配や断面を確認し土地の利用状況などを踏まえ検証している。整備を実施する時期は令和3年度に取りまとめていく。 子育て支援の考え方は 問 認可保育所、小規模保育の令和3年度待機児童の改善は。 答 浅羽東幼稚園と若草幼稚園の認定こども園への移行などにより利用定員数を312人増やし、1974人とした。また各園に対して、定員の2割まで超過して受け入れができる弾力的運用を図り、ニーズが多い1・2歳児について、鋭意、入所調整を図っている。 ■大庭 通嘉 議員 早急な治水対策事業を 問 蟹田川の改修が、ここ数年停滞している。田原地区をはじめ上流部の川井地区の冠水対策を早急に進めるべきでは。 答 蟹田川河川改修は彦島大橋掛け替え後、松橋川との合流部まで順調に進んでも10年程度かかる。県と連携を密にして前倒しを働きかけたい。また、松橋川の改修も川井西ポンプ放流口まで、10年間の工事期間が見込まれる。 問 袋井駅南(小川町など)浸水問題も、全体の改修には総額61億円が見込まれている。何年をめどに全体を完成させるつもりか。 答 令和3年度に事業計画を策定し、令和4年度から測量調査や用地補償調査、地質調査など事業着手し、10年で効果が出るようにしたい。 待機児童の抜本対策を 問 令和2年度1662人の保育定員を令和3年には1974人と312人の増員をしてもまだ待機児童が予測されている。抜本対策を望むが。 答 保育ニーズに応えるには、民間の小規模保育施設(0歳から2歳児)の新設を支援するとともに、すべての公立幼稚園をこども園化していくことが必要と認識している。  本定例会では、コロナウイルスと闘う医療従事者に対して感謝と激励の気持ちを示していくことが大切と考え、市議会の意思表示として「新型コロナウイルス感染症に係る誹謗中傷等の根絶に関する決議」を可決しました。 新型コロナウイルス感染症に係る誹謗中傷等の根絶に関する決議  新型コロナウイルス感染症は、静岡県内においてもクラスターが頻発、続発するなど感染拡大が続いており、市民は、先行きが見通せない不安を抱えた生活を余儀なくされている。  このような中、病魔と闘う感染者及び最前線で治療にあたっている医療従事者並びにこれらの家族などが、SNS等の様々な情報媒体によって、不当な差別や偏見、心ない誹謗中傷を受けるなど、人権を脅かす事例が残念ながら多数発生している。  こうした行為は当事者を深く傷つけ、平穏な社会生活を送る妨げになるのみならず、医療従事者の疲弊にもつながり、医療体制の崩壊を招きかねない。また、誹謗中傷等を恐れて感染者等がその行動歴や濃厚接触者等の情報提供を拒めば、さらなる感染拡大を招く要因となることも懸念されている。  新型コロナウイルス感染症は、誰もが感染し、誰もが気づかぬうちに他人に感染させる可能性があること、誹謗中傷等は決して許されない卑劣な行為であること、そして誰もが誹謗中傷等の被害者にも加害者にもなり得ることを改めて周知するとともに、市民一人一人が正確な情報に基づいて、冷静で思いやりの気持ちを持って行動することが求められている。  よって、本市議会は、新型コロナウイルス感染症に係る差別や偏見、誹謗中傷を断固として許さず、その根絶に向けて全力を挙げて取り組んでいく。  以上、決議する。  令和3年2月22日 袋井市議会 特別委員会報告   特別委員会は、市の特定の問題について、審査・調査するために設置される委員会になります。主な調査内容をお知らせします。 議会活性化特別委員会 ◇1月28日(第19回) <報告事項> 1 議員定数の在り方について  議員定数の現況や先進市議会の取り組み、有識者の考え方などについて報告を受けた。 2 特別委員会調査結果報告書について  これまでの調査を総括し、結果を報告書として取りまとめた。 ごみ減量化特別委員会 ◇3月5日(第13回) <報告事項> 1 ごみ減量化に向けた取り組み方針(案)について  令和2年10月に特別委員会から提出した意見書で、ごみ減量化施策として提案したものに対し、次のとおり今後の取り組み方針(案)の報告を受けた。 (1) ごみ袋有料化に向けた市民説明会の開催、ごみ分別の啓発活動など →令和3年7月より市内14カ所のコミュニティセンターにおいて市民説明会を開催 (2) 古紙のリサイクル体制を構築 (3) 生ごみ処理機等購入補助金制度の創設 (4) 草木のリサイクル (5) 生ごみ・紙おむつのリサイクル (6) 事業系一般廃棄物の削減 (7) 下水汚泥の民間処理、し尿汚泥の処理方法の研究 (8) 資源ごみ・不燃ごみの収集方法の見直し (9) 中遠クリーンセンター搬入手数料の改定 2 コロナ禍における中遠クリーンセンター処理量の推移について  中遠クリーンセンター処理量の推移について報告を受けた。 ICT活用特別委員会 ◇12月22日(第18回) <報告事項> 1 国の最新動向などについて  国の制度の検討状況や補正予算、日経グローカルの特集「自治体電子化推進度ランキング」で本市が全国63位、県内1位になったことについて報告を受けた。 2 ICT施策の近況について (1) RPA※1などを活用した保育所申込の申請手続きについて (2) NTT東日本が、東京都新宿区のNTT「ICC」ギャラリーEで開催する「Digital×北斎【破章】北斎VS廣重」をサテライトミュージアムとして市役所1階ロビーで行った実証実験(R2.12.3〜R3.2.26)について (3) デジタルデバイド※2解消のための取り組みについて ※1 パソコンなどで行っている一連の作業を自動化するソフトウェアロボット ※2 情報通信技術を利用できる者とできない者との間に生じる格差 <協議事項> 1 袋井市議会オンラインを活用した委員会開催要綱について  オンラインを活用した委員会開催の詳細を定める要綱案について協議した。 ◇2月8日(第19回) <報告事項> 1 第3次ICT推進計画の進捗状況と令和3年度ICT関連事業の概要について  計画の進捗及び令和3年度のICT関連事業の概要について報告を受けた。 2 第2次袋井市教育情報化推進計画について  第1次袋井市教育情報化推進化計画(H27〜R5)について、ICTを取り巻く環境が大きく変化したことに伴い、計画期間中であるものを全面改訂し、第2次計画(R3〜R7)を策定することになったことについて報告を受けた。 常任委員会レポート  令和3年度一般・特別・企業会計の予算をはじめ、令和2年度一般・特別会計の補正予算や条例の一部改正などの議案を、各常任委員会で審査しました。ここでは、その一部を紹介します。 総務委員会 ●令和2年度袋井市一般会計補正予算(第9号)〜交通防犯対策費〜 Q 生活バス路線維持補助金が増額しているが、路線バス利用者が減少したことによる減収を補てんするためか。 A 新型コロナウイルス感染症の影響で、年度当初に路線バス利用者が大きく減少したため、12月の時点で実績に基づき補助額を見込み、増額した。 ●令和3年度袋井市一般会計予算〜企画費〜 Q 広島平和記念式典派遣事業委託料は、令和2年度は100万円余だったが、令和3年度はいくら予算計上したか。 A 令和2年度は新型コロナウイルス感染症拡大による影響を受け、中学生派遣は実施しなかっため、被爆体験伝承者派遣事業により、市内4中学校で語り部による伝承講話を実施した。令和3年度は、派遣人数を絞って各校2名の計8名の中学生と随行者とし、84万9千円を当初予算に計上した。 ●令和3年度袋井市一般会計予算〜交通防犯対策費〜 Q 通学路への防犯カメラ設置に対して補助するとのことだが、設置費用はいくらを想定しているか。 A 防犯カメラ設置事業費補助金は、令和2年度から静岡県が実施している事業で、県では自治会などが設置するものに対し市町が行う補助を対象とし、防犯カメラの設置費用を、1基あたり約30万円と想定している。県と市と設置者の自治会などが、それぞれ3分の1ずつの10万円を負担することを考えている。 民生文教委員会 ●令和3年度袋井市一般会計予算〜地域医療推進費〜 Q 磐周地区PCR検査センターの今後の体制は。 A 令和3年4月からの体制は、磐田市と袋井市と森町による週2日から、袋井市と森町による週6日の検査に拡充するとともに、検査会場を磐田市内から袋井市内と森町内へ変更し、月曜日から金曜日までは公立森町病院、日曜日は袋井市内で検査を行っていく。 ●令和3年度袋井市一般会計予算〜健康づくり推進費〜 Q 袋井市たばこによる健康への影響から市民を守る条例が制定され、本年7月より施行される。どのような啓発方法を考えているのか。 A 啓発用の看板を作成し、看板を設置する施設ではたばこを吸えないことを周知していきたい。  また、小中学校には学年を指定して禁煙講座の実施をお願いし、高校や大学も機会があれば、たばこの内容の講話などを行っていきたい。20歳になった時に、たばこが健康に与える影響を理解し、正しい判断で選択できるようにしていきたい。 ●令和3年度袋井市一般会計予算〜児童福祉費〜 Q 巡回型子育て支援センター「くるクル」は利用者数減少に伴う事業の見直しにより、めいわ可睡子育て支援センターを拠点とした出張ひろば事業を実施することとなった。今後の展開は。 A 令和3年度からは、市内5カ所のコミュニティーセンターなどで、週1日から2日開催する出張ひろばを実施していく。  今後の展開は、アンケートなどで、広く利用者の意見を聞いた中で、検討していく。 建設経済委員会 ●令和2年度袋井市一般会計補正予算(第10号)〜農林振興対策費〜 Q ふくろいふるさと農産物応援便事業について、申し込み方法として、第1弾・第2弾で購入できなかった方は、優先されるのか。 A これまで購入できなかった方が、優先して購入できるよう、JA遠州中央とも協議し、配慮していく。 ●令和2年度袋井市一般会計補正予算(第10号)〜住宅総務費〜 Q 住宅リフォーム助成事業費補助金について、県が実施している住宅リフォーム支援事業費補助金と重複しないか。 A 市の補助金交付要綱の中で、補助対象工事は、国、県、市、その他団体の補助金の交付を受けていない、または受ける予定のない工事であることが、補助要件として規定されており、重複することはない。 ●令和3年度袋井市一般会計予算〜都市計画総務費〜 Q 無電柱化については、多額の費用が生じるため、これまでなかなか着手できなかったが、国の方針を踏まえて、無電柱化推進計画の策定に向け、基礎調査を開始していくということで良いか。 A 議会から提案があり、庁内でも検討を進めているところであるが、無電柱化については、推進計画の策定が第1歩であると考えており、推進計画の策定に向けて、さまざまな基礎調査を行っていく。 ●令和3年度袋井市水道事業会計予算 Q 水圧不足が生じる場合には、どのように対応しているのか。 A 古い水道管を使っているなどの理由により、水圧・水量不足が生じている場合には、地域からの要望を受けて、2年から3年をかけ、水圧不足解消のため、管路の更新を行っている。 討論(主なもの)令和3年度一般会計予算に対して 反対 高橋美博議員(日本共産党)  コロナの影響で不安を抱える市民の暮らし、支援が必要な人に向けた予算となっていない。また、全ての地域を課税対象区域とする都市計画税は、都市計画事業のほかに償還金にも充てられており、見直しが必要と考える。さらに、マイナンバーカードの普及促進は、市民にとって使用の必要性がそれほど感じられず、費用対効果に見合わない投資となっている。以上のことから反対する。 賛成 田中克周議員(自民公明クラブ)  一般会計の予算総額は、356億円で、前年度当初予算と比べると1.1%の増である。予算規模は、3年連続、過去最高予算額となっている。「人生100年時代」や「超スマート社会」、「脱炭素社会の実現」など、時代の潮流をとらえるとともに、来るべき新しい時代に向けたさらなる成長、発展につなげる予算となっている。コロナの影響で市税が減収となる中で、国や県からの補助金やふるさと納税寄付金などにより財源が確実に確保されている。以上のことから賛成する。 議案に対する議員の賛否 ○:賛成 ×:反対 △:棄権 ー:欠席または除斥 〈議長(戸塚文彦)は、採決に参加しません。〉 賛否が分かれた議案 森杉典子 村井勝彦 佐野武次 木下 正 竹野 昇 鈴木弘睦 戸塚哲夫 寺田 守 田中克周 山田貴子 近藤正美 伊藤謙一 岡本幹男 浅田二郎 高橋美博 高木清隆 村松 尚 戸塚文彦 大庭通嘉 令和3年度袋井市一般会計予算について ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ × × ○ ○ ー ○ 令和3年度袋井市国民健康保険特別会計予算について ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ × × ○ ○ ー ○ 令和3年度袋井市介護保険特別会計予算について ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ × × ○ ○ ー ○ 令和3年度袋井市水道事業会計予算について ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ × × ○ ○ ー ○ 袋井市国民健康保険税条例の一部改正について ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ × × ○ ○ ー ○ 袋井市介護保険条例の一部改正について ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ × × ○ ○ ー ○ 開かれた議会、市民により身近な議会 〜意見交換会を実施〜 総務委員会と浅羽・笠原まちづくり協議会生活支援ネットワーク(1月26日)   少子高齢化・核家族化の中で高齢者世帯を中心に困りごとが増え、孤立化も深まっている。日常生活の中で困っていることに対して、地域を挙げて取り組む、支え合いの精神で、安心して住み続けられる住みよいまちをつくることを目指し発足した。   しかし、先進他市は、社会福祉協議会が主体となって生活支援事業を進めている中、袋井市は5つのまちづくり協議会という、自治会レベルがまとまって活動を立ち上げた。このケースは全国的にも珍しい。生活支援事業は、収益が見込める事業ではないため、活動を維持する運営費の確保が課題となっているとのことだった。 議会報告会  令和2年度の議会報告会は、若者の政治・行政・選挙などへの関心を高めることなどを目的に、令和2年12月に袋井特別支援学校高等部と袋井商業高等学校、令和3年1月に袋井高等学校での開催を予定したが、新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から中止した。  当初の予定では、袋井高等学校は、2年生が総合学習の時間に「袋井市の課題とその課題に対する提言」について1年間取り組んできた成果を、議員の前で発表し、その内容に対して議員と意見交換する計画であった。しかし、議会報告会が開催できなかったので、その代替として、生徒が発表用に作成した模造紙を借りて、その内容に対して議員がコメントをする形での実施となった。 気持ちを新たに  新型コロナウイルス感染症の拡大により、社会・経済活動は大きな打撃を被るとともに、気心の知れた仲間と触れ合う機会も制限を受けて、淋しい思いをしているのは、皆さんも同じであると思います。これまでの、あたりまえの日常を早く取り戻すために、引き続き感染予防に努め、気持ちを新たに、一つ一つの出会いを大切にしていきましょう。 (広報委員:佐野武次) 5月市議会臨時会 6月市議会定例会のお知らせ 場所 市役所5階議場及び各委員会室 時間 午前9時から 日程 <5月市議会臨時会> 5月14日(金) 議会人事 <6月市議会定例会> 6月7日(月) 開会、議案の説明 15日(火) 市政に対する一般質問 16日(水) 市政に対する一般質問 17日(木) 市政に対する一般質問 21日(月) 議案の審査(常任委員会) 22日(火) 議案の審査(常任委員会) 30日(水) 委員長報告〜採決、閉会 ※変更する場合もあります ふくろい市議会だより No.78 〒437-8666 袋井市新屋一丁目1番地の1 TEL.(0538)44-3143(直通) FAX.(0538)44-3148 ホームページ http://www.city.fukuroi.shizuoka.jp/ メールアドレス gikai@city.fukuroi.shizuoka.jp 発 行/静岡県袋井市議会  発行日/令和3年5月1日